三戸素子と小澤洋介のヴァイオリンとチェロによる二重奏は、2人がザルツブルグで演奏活動していた頃から始められた。当時Tokyo String Duoという名でスイス・オーストリアを中心活動し、日本に本拠地を移したあとはクライネス・コンツェルトハウスの核となって現在に至っている。 チェロとヴァイオリンの二重奏という編成は意外と曲が少なく、古典派の時代は「家庭室内楽」といったシンプルなものが多く、近代になってから力作が作られた。昨年11月末に発売されたCDは、そのレパートリーの2大曲を収録しているが、今回はその収録曲のほかにE.シュールホフの二重奏曲を加え、20世紀初頭のフランス・東欧の近代音楽を切りとるプログラムとなっている。 2人の演奏は、その瞬間のインスピレーションを大事にしながら、曲の内面や構成に深く踏み込み紡いでいく。
- M. ラヴェル : ヴァイオリンとチェロのためのソナタ(1922作曲)
- Maurice Ravel (1875-1937), Sonata for Violin and Cello
- E. シュールホフ: ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲(1925作曲)
- Erwin Schulhoff (1894-1942), Duo for Violin and Cello
- Z. コダーイ: ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲(1914年作曲)
- Zoltan Kodály (1882-1967), Duo for Violin and Cello, Op. 7
昨年2023年にリリースされたCDを記念して、CDに収録された、ラヴェル、 コダーイにナチスの強制収容所で亡くなったチェコの作曲家E.シュールホフの 二重奏曲を加え、20世紀初頭のフランス・東欧の近代音楽を切りとるプログラム