素晴らしい滞在となった今回のロンドン旅行とイテテテのヴェニス!

ロンドンでチェロのメンテナンスをお願いして、その間、楽器も手元になくなったので、スコットランドでも観光してこようかと思っていたところ、ティムさんがいまヴェニスに小さな家を持っているんだけど、今ちょうど借り手がキャンセルで空きになっているから、鍵渡すから行っておいでっていってくれた!

もう、思わずよだれが出るほど嬉しい提案。ロンドン郊外の空港からでるLCCでいざヴェニスへ!

マルコポーロ空港の船着場から船でヴェニス本島へ。言われた通りアーセナルで降りたら左に見える橋を一本越えて2本目の路地を入ったらその先の2本目の道を入る。

両手がつきそうなほど狭い路地。シーンと静まり返った鎧戸のしまった窓。鍵を差し込むとワォ!素敵な3階建ての小さなお宅。

せっかくのハウスなので自炊基本だけど、ほぼもう10pmなのでとにかく夕飯を食べられるレストランを見つけて、とりあえずパスタを頼む。

特に期待はしていなかったのに、思わず固まってしまうほどの脅威の美味しさ!

そして翌日は早起き、素子さんがこちらの朝7時にzoomでヴァイオリン体操をやったおかげ。1日が早めに始まり、ヴェニスをくまなく歩き回る。

そしてその晩!!全く予期しないとんでもない事態が起こるのです。

夜中の2:30amころ、寝返りをしたのと同時に右側の背中から腰にかけて激痛が走る。

ギックリ腰にしては位置が高い。痛み方といえば赤く焼けたナイフで内臓を刺されているような、今まで経験したことのないような激痛。じっとしてられないので終いにはベットから降り、大理石の床でのたうち回っているほどした。

(お近くで経験者のいる方はもう<あれ>だなってお分かりですよね。)

6時間ほど様子を見てみるも全く痛みがおさまらない。旅行の携帯薬として持っていたアセトアミノフェンが12錠あったので3錠飲むも、痛みのスケールは10から8.5くらいに下がってくれるが、3時間もするとまた10に戻る。このペースだと午後には痛み止めもなくなってしまう。

これはもうギブアップ、助けを呼ばないと。クレジットカードに旅行傷病保険が付いているので、まずその窓口に電話をする。「ドクターと通訳を派遣しますが、16時までお待ちください」とのこと。あと何時間かはもう考えるのをやめた。

最後の頭痛薬が切れるころ、家のベルがなる。ドクターと通訳さんだった。

ベッドルームで額に大汗かいてうつ伏せになっている様子を見て、これは往診では対処できないのでこれから病院に運ぶので、アンビュランスを呼びますとのこと。

すくなくとも助けてくれる病院に行けると思うと安心感で痛みも和らぐ。

そしてかなりすぐに、3人の救急隊員がやってきた。

どこが痛い?

右の腎臓あたり!

いつから?

夜中の2時頃から!

今の痛みのスケールは10段階で?

今は8くらい。さっきまでは12!!

救急隊員がこれはほぼ間違いなく尿道結石。とにかく病院に運びます。

そして、わたしに

セニョール!3時間でまた歩けるようにしてあげるからねぇ!

イタリア人らしく調子のいいことを言っている。

そして、それから救急搬送となるわけだが、ヴェニスって島内は一切車がない。移動手段は船。

どうやって病院まで行くんだろうと思っていると。家の前に人力カートが待っていた。

流石にこんな状況でインスタ映えなんて思えない状況なので写真がないので、ヘッタクソな絵を描くとこんな感じ。

しかし、下は石畳。ごわんごわんとなかなかの衝撃。ヴェニスの橋はすべてゴンドラが通過できるように階段状の太鼓橋でカートは通れないので、それを迂回しながら救急船の待つ水路まで。水路に近づくと黄色い船が見えてくる。船に板を渡して、カートごと救急船に乗り込む。中は至ってシンプル、点滴セットやおそらくAEDのようなものがリュックのようなものに入って吊るしてある。それに浮き輪。

船の中で、痛みどめの点滴がはじまる。半分くらいはいったところで、どうだい、だいぶらくになった?というがまだ7くらい痛い。まあ、体を捩るほどではない。

そしてすぐに船が動き出す。サイレンがなるのかなぁと思ったけど、至って静か。そしてかなりゆっくり、エンジン音もかなり低速に。救急隊員が吐きたくなったらこれにしろよってビニール袋を渡されるも、あまりの痛みにあの素晴らしいパスタ以来、20時間以上も水以外何にも口にしていないので、吐くものもない。

10分ほどでヴェネツィア病院の船着場に到着。病院のストレッチャーに乗り換えて救急の待合室へ。トリアージの白いタグを付けられたので、これはだいぶ待ちそうだなぁと思いながらじっと2時間ほど順番を待つ。いろんな年齢層、辛そうにストレッチャーに乗りながらもスマホを離さない10代の男の子や明らかにアルツハイマーのおばあちゃんが何かをひっきりなしに繰り返し話している。生きたイタリア体験だ。

そして私の順番、お決まりの血液検査、尿検査、そしてエコー。エコーで3mm大の石が尿管に詰まっているのが見える。膀胱まであともう少し。処方する薬と水をしっかり飲めば、点滴も打ったので明日までには石は出るからねと自信に満ちた50代の無精髭を生やしたドクター。

そして、痛みどめが効いていたので、病院から家まで15分歩いて帰る。そうです。ヴェニスにはタクシーはありません。もちろん乗合船のヴァポレットが24時間運行してますけど、おそくなると30分に1本くらい。基本は歩いたほうが断然早い。

夜間営業の薬局から処方された強い痛み止めを買ってきてもらい、とりあえず眠りに落ちる。

翌日から、痛み止めと大量の水を飲み早く石を出すために、運動もありということで、観光に徹することに。アカデミア美術館のヴェネツィアは絵画は本当に圧巻でした。

そして夜の飛行機でまた、ロンドンへ戻るために飛行機に乗り込む。まだ石が出ていなかったので、万一激痛が機内で始まったら飲もうと大量の鎮痛剤をポケットに忍ばせて恐る恐る機内へ。

あと30分でロンドンに着陸というタイミングでドォと身体の中で水分移動の感覚が!解放です。

ヴェネチア市民病院のドクターから、薬は5日間飲み続けることと、日本に帰ったらすぐにCTを撮って石が本当に出たか検査しなさいとの指示だったので、翌日すぐに近くの病院へ。石は排出されておりました。

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